園だより    2022年9月1日

  
 
 
 今年は厳しい夏が続いています。この園だよりを書いている8月の下旬も天候がすぐれず、残暑が厳しい日々が続いています。先日、気象庁から梅雨明けの早さや猛暑については異常気象であるという発表がなされました。私たちの周りの環境が激変していることは、私たちが普段の生活を営む上で、あたりまえをどのように確保するかに腐心することを実感します。相変わらずコロナは猛威を奮っていますし、熱中症の危惧も子どもたちの生活に大きな影響を与えることは、この先も気にかけなければなりません。以前は夏休み明けは子どもたちが園へ戻ってくるという希望が先にあり、2学期の子どもたちとの生活をどのように送るかを心待ちにしていましたが、心配や不安、社会の不穏さからどのように子どもたちを守っていくかを常に考えねばならなくなりました。皆さんの協力なしでは達成できないことも増えてくることが予想されますので、よろしくお願いします。
 
 あまりにも不確定なことをマイナスと捉え、危惧するばかりでは暗くなってしまいます。子どもたちの育ちには当然危惧もありますが、今日をより良く生きるという子どもたちの姿勢からは、「希望」というプラスの思考を私たち大人に示してくれることで、私たち大人に「勇気」を与えてくれる存在なのだと改めて感じます。
 
 いよいよ2学期が始まります。入園、進級してから子どもたちは集団としての生活のあり方やその中で営まれる関係性、環境との関わりを緩やかな時間から学び取りました。「あそびのおもしろさ」「人との関係性」「思考する自由」「自己決定と共感」「自己を肯定する仲間」いろいろな場面に遭遇し、それぞれの場面で自己を発揮しながら精一杯自分作りの生活を過ごしてきました。そんな基本的な人の生き方や関係性を軸としながら2学期の生活は「自己の発揮」と「共感性の発揮」という、より自分を成長させてくれる課題に向かうことになります。そんな自分を成長させてくれる活動が2学期にはふんだん用意されています。おもしろさを基本に据えながら、友だちと競い合う姿や共感する喜び、自分の体を自由に動かすことのおもしろさ、期待と不安のバランスをとりながら自分がひと回り大きくなったという実感、「課題」から提示されたものを自分なりの「理解」を通しておもしろさを追求する満足感など、自己を成長させてくれるものが「運動会」なのだと思っています。
 
 いろいろな運動会を見てきました。体育教師に指導され一糸乱れず整列している子どもたち。個人のスキルを追求する姿からは「おもしろさ」は封印され自己の課題をどのように効率的に獲得するのかが試されています。強いものだけが認められ満足を得られる。幼児期の教育は生活を通しての教育と言われています。この生活からは自己を評価されることに専念し、仲間を認めないという生活を送っているとしか考えられません。競い合うということは人間の持つ、前に進むという原動力ではありますが、自分を発揮するということは仲間に支えられているという感覚なしには得られないのではと思います。それには、子どもたちの緩やかなふだんの生活の中で、じっくりと時間をかけて営む何気ない生活が必要になってくるのです。お団子作りが仲間に認められた。ごっこあそびに友だちが入ってきてくれた。みんなとするあそびがおもしろかった。そんな生活から得られるのだと。
 

2022年 9月1日    金井幼稚園 園長 木都老克彦