Kanai Kindergarten

-        子どもたちの未来のために -

園だより

園だより    2020年1月29日

 
 
 新型コロナウィルスが国内で発見されてはや一年が経とうとしています。未知のウィルスということで、私たちの生活は一変しました。長い外出禁止や人々の関係性を遮断するような措置が2ヶ月間続きました。そんな疑心暗鬼の環境から早一年、私たちの理解や生活は変化したでしょうか。いや、相変わらずわからないことがどんどん増えてどのように生活を維持したらいいのか不安に駆られることがしばしばあります。先の見えない不安や、本来育まれるであろう関係性の柱などが十分に確保できないジレンマに不安を覚えている人も少なくは無いのではと思います。例年では意識しなくても通り過ぎていた関係性の必要性が取り立てて大切になってきたことや、支え合うことで安心できた生き方の必要性がこの制限された環境の中で鮮明に明らかになったのではと思います。
 
 朝、園庭では年少の子どもたちがラーニングバイクで集団走行を楽しんでいます。1人の後を何人も連なって、あたかもスイミーの小魚たちのように仲間を意識しながら走り回っています。しかし、時間経過と共にこの集団から離れそれぞれがもっと小さな集団に移行し、気のおける仲間とじっくりと時間をかけたあそびに移っていきます。ラーニングバイクは一日の心の均衡を保つためなのか、今日もあそぶんだ!という心構えなのか、面白いルーティンを日々繰り広げています。何よりもあそびの充実には仲間、時間が必要なことは間違いなのではと思います。そんな環境が子どもたちを育て、関係性の深まりを満たしながら子どもたちはかけがえのない人間性を獲得していくのでしょう。ここに至るまで子どもたちは色々な葛藤を抱えたに違いありません。事実、意見の衝突や諍い、けんかなど数多くの関係性を積み上げる経験や体験をしてきました。その都度見守られ助言を受けながら自分自身の人間性と照らし合わせながら自分を知り相手を理解してきました。子どもたちは育ったのです。それは、私たち大人が子どもたちを見守りながら信じてあげることの重要性を示唆してくれています。「あなたならできるよ。だいじょうぶやってごらん。すごいね、こんなことできるんだ。いいよ、みててあげるから。」まだまだ言葉はあるでしょうが子どもたちはしっかりと自分の足で歩き始めています。
 
 2回目の緊急事態宣言が出され、私たちの生活も窮屈さを感じずにはおられません。私権が制限され蔓延を阻止するという名目で個人の自由は制限されました。お互いを感じることで得られる関係性の満足感はなかなか得ることに苦労が伴うようです。しかし、人はひとりでは生きていくことは困難な動物であることは間違いないことです。子どもたちの育ちの知恵を借りるならば、自分を育て自分自身を理解するためには、他の人との関係性の構築が必要不可欠であることは間違いないようです。違いを超えて自己を知る手立てや他の感情を理解するということは、自分自身が信じてもらえる存在でありたいと願うことと同時に、信じてあげられる自分でありたいと願うことなのではと思います。難しい時代だからこそ自分を見つめ、他を信じることが必要なのではと思います。子どもたちはこの一年で信じること、信じられることをしっかり学びました。
                                  
                               
            

2021年 1月29日    金井幼稚園 園長 木都老克彦