園だより
6月30日
仲間とともに
梅雨の晴れ間なのか連日の猛暑に子どもたちも園庭の木陰であそぶ姿が目立ちます。園の中で園庭が一番涼しいところなのでしょう、子どもたちは風の通り過ぎる場所に陣取り、お団子を作ったり泥を材料におままごとごっこに興じている姿が目立ちます。一方、もっと風を感じたい子たちはターザンロープにしがみつき、自らが行動を起すことで風を全身に受けてあそんでもいます。入園したての行動範囲の狭かった時期が遠い昔のように感じられる程、今を生きている子どもたちの姿がそこにあることを実感します。
毎年この時期になると年長組では家庭から離れて幼稚園で一泊する「キャンプ」が行なわれます。子どもたちは1学期の前半は年長になった喜びから、自分たちの学年より下の子どもたちの世話や年長の特権である動物当番など、自分たちの置かれている、最年長なんだ、という状況を楽しむように一生懸命に取り組みます。しかし、学期の後半の今はそんな生活にも慣れ、自分たちの生活の目当てをどこに持って行こうかと思考する時期に差し掛かりました。園生活の積み重ねは、年少や年中の時代から子どもたちは充分に行なっては来ましたが、そんな生活の質をこの年長という時期に子どもたちなりに試してみる時になったのだと思います。それはある意味では、子どもたちが入園してからの園生活での課題のひとつなのかも知れません。
家庭の中で世話をされる自分から、幼稚園という自分自身が「自律」や「自立」を目当てに生活を創りだしていかなければならない場所へ置かれた子どもたちは、仲間や園の環境へ働きかけ色々な経験や体験に出合い、自分自身を成長させてきました。ほんの1、2年前までは、自分が、自分がというような自分しか見えないような状況から、仲間がいるのだということに気がつき、この仲間とどのように協調して生活を送るかを思考し、自分自身を見つめることで成長してきました。
そんな子どもたちの成長を「キャンプ」という課題が子どもたちの成長を試すかのように用意されています。楽しみでもあり、不安でもあり、逃げたいような気分でもあり、期待観に胸を膨らますことでもあり、色々な感情が子どもたちの心に働きかけます。毎年、そんな課題を仲間と共に乗り越えた年長の子どもたちは、大きく成長する姿を必ず見せてくれます。
「生きる」ということは自分一人ではないんだ。大げさな言い方かも知れませんが、子どもたちはこれから長い人生の中でいくつかの壁を乗り越えていかなければなりません。そんな時、自分自身を信じ、自分は一人ではないんだということを実感出来るのは、この時期に、仲間と共に大きな壁を乗り越えたんだという事実があったということを心の片隅から思い出し、そこに横たわる感情の温かさを実感してくれたらと願っています。
園長 木都老克彦
