園だより
5月31日
園生活の方向
園の生活が動き始めました。4月に入園や進級した子どもたちですが、自分のあそびや場所をしっかりと見つける日々が過ぎ、場所やあそびを共有出来る友だちが少しずつ出来ている様です。一方、仲良しの友だちとあそぶうちにどんどんあそびがエスカレートして他の子どもたちに迷惑をかけている子どももでてきました。園全体がこれから始まる秩序ある園生活の前触れのように、混沌とした子どもたちの様子が見て取れます。こんな混沌とした中から、子どもたちがしっかりと前を向くような園生活が始まるのではないかと期待に胸を膨らませていました。
そして、遂に子どもたちとの園生活の方向性を決定付けるような出来事が起こりました。もう皆さんもご存知のことと思いますが、子やぎが生まれたのです。前年の12月、長野県の佐久から来たお母さんヤギの体内には、この約5ヶ月をかけて育まれた命がしっかり生きていて、とうとう私たちの世界にでて来たのです。子どもたちは朝から興奮気味にヤギ小屋へ向かっていました。園バスの駐車場にまで次々と子どもたちが現れ、子やぎが生まれたことを報告にやってきました。ヤギ小屋に行ってみると、もう子どもたちの人だかりが出来、みんなでワイワイと話しています。子どもたちは口々に「かわいい」「小さいね」「だっこしたい」「いつ生まれたの」と言っていました。子どもたちにとって自分の体を基準にして小さき物はみな「かわいい」に当てはまるのでしょう。目の前には真っ白な小さい子やぎがまだ足もともおぼつかないように立っているのです。子どもたちにとって、初めて幼稚園中の子どもたちと共通する感情がその場で確認出来たとも言えるのかもしれません。私も久しぶりに見る子やぎです。やはり子どもたちの共感する感情の渦の中に置かれ、改めてこの園がヤギという動物を飼う意味を、この場で確認出来たことに驚きとともに感謝してしている自分に気付きました。
動物たちとともに生活を送ることは、こんな感動的なことばかりではありませんが、子どもたちが日々、ウサギやカメやガーコ、チャボに思いを馳せているのは同じ場所を共有している私たち保育者にも見て取れます。そして、それぞれの子どもたちが動物たちに心を癒されたり励まされたりしながら、自分の心と対話をくり返し、自分の心のありようをしっかりと方向付けていることも解っていました。それらはあくまで、子どもたち一人ひとりの心に寄り添うことで確認出来ることでした。今回は園のすべての子どもたち、そして、保育者も含めすべての大人たちの心の方向性をも感じさせてくれる程、子やぎという存在が大きいことを改めて認識しました。
年長では子やぎの名前がそろそろ決まりそうです。子どもたちはどんな思いをその名前に乗せてくれるのか楽しみです。
園長 木都老克彦
