園だより
5月31日
あそびの質
もうそろそろ初夏といえる季節なのに晴が続きません。暑い日があるかと思えば寒い雨が降り続いたりと天候が安定しません。そんな中でも子どもたちは園生活に徐々に慣れ、自分の居場所や仲間をつくり始めているようです。ダンゴムシを探して葉をひっくり返したり、ミミズを探してそこら中の土を掘り返したり、泥だんごを仲間と夢中になって作ったりしています。どうやら園全体が子どもの動きと共に動き出し、子どもたちにとってあそびが園生活の一部になりつつあることを実感します。どんな条件でも子どもたちにとって、あそびは日々積み重ねることによってより豊かになっていくのだと感じられます。
年少の子どもたちが泥や水、砂と出会うとき、はじめは個人でその感触を確かめ満足している姿があります。毎日繰り返しあそぶうち、感触の心地よさとは違ったものをそこに発見します。泥や水や砂を使った「ごっこあそび」が始まります。泥水はコーヒーへ砂や土はケーキやハンバーグへ。しかし、泥の固まりがハンバーグであると自分だけが思っていても他の子どもたちが共感してくれなければ「ごっこあそび」は成立しません。自分の思いを他の子どもたちが受け取ってくれることで友だちと安心してあそぶことが出来るのです。そして、子どもたちは共感することの心地よさを土台にあそびを発展させ、より共感を得やすいように見立てるものを本物に近づけようと努力します。しかし、自分の技術だけでは限界があり、まわりを見渡すと自分たちより格段の技術を持っている年長や年中の姿がそこにあります。
子どもたちの泥だんご作りの輪の中に、年少の子どもたちの姿を発見する場面を多く見ます。その会話を聞くと、年長の子どもたちが園の「あそび文化」をいかに丁寧に伝えているかを実感することがあります。
「ここのところはぎゅっとしちゃだめだよ」「わたしがやってあげるから見てて」「こっちの砂のほうがきれいになるよ」
「そうやったらわれちゃうよ」
など実に丁寧に伝えています。自分たちも以前の年長に丁寧に伝えられ、あそびを豊かにして来たに違いありません。
園庭で活発にあそんでいる子どもたちに目がいきがちですが、物静かなあそびを注意深く見ることで、子どもたちが、共感できる友だち関係を土台にいろいろな刺激を自分の中に取り込み、自ら「あそび」をあそんでいる姿を見ることができます。ドッチボールやどろけい、鬼ごっこやコマなどの動的なあそびと同じような質をそこに感じとることができます。
園長 木都老克彦
