園だより
4月30日
成長する心
新入園の子どもたちにとって今年の天候は少々意地悪のようで、一日おきに寒暖の差が激しく、心と体が一生懸命に新しい環境に慣れようと努力しているにもかかわらず、天候に翻弄された始まりになってしまったようです。いつもの年ですと、晴天のもと、園庭や砂場で子どもたちが心も体も環境に働きかけて心地よい疲労感や満足感に浸れるのですが、今年に限っては天候が子どもたちの心身のバランスを崩しているようで、風邪をひいてる子どもが少なくありません。ここ数日の晴れ間で子どもたちが活発に動きだした姿を見ると、子どもたちにとって陽の光り一つでも、本当に大切な環境なのだということが実感されます。
園庭から職員室に向かうと坂の途中で年長の女の子たちに呼び止められました。どうやらお店屋さんごっこをしているようです。枕木の上には色とりどりの葉っぱや花びらが乗せられた泥だんごが並べられて、まるでお寿司屋さんのようです。赤い花びらが乗せられている泥だんごを手に取って、「このマグロのお寿司はおいしいですか」と質問すると、すかさず、「上等のマグロです」「美味しいですよ」と返事が返ってきました。この子たちは年中の時からいつもお店屋さんを開店させていましたが、時にはケーキ屋さんであったり、ピザ屋さんであったりしていました。材料は泥や水や砂ではありましたが、今回のお寿司の完成度を見ると、年中の時に比べると雲泥の差があります。今まで、去年の年長の女の子の中に混ざり合ってあそんでいたことが、自分たちが年長という立場になって花開いたのでしょう。よく見ると、新年中の子どもたちや3才からの進級の子どもたちも一緒にあそんでいます。この子たちもあそびの中での刺激が、技術やおもしろさを自然な形で受け継いでいってくれるでしょう。
子どもたちにとって、昨日まで出来なかったことが今日は出来るようになることが成長の証ともいえます。おもしろさの中で経験したことや体験したことは、もっと出来るようになりたい、もっと大きくなりたいという欲求に添いながら、自分を成長させていることに繋がっていくのではと思います。園では異年齢の子どもたちが園庭や砂場、コマや縄跳び、色々な場面で混ざり合ってあそんでいます。今はこの環境に慣れることで必死になっている子どもたちも、いずれは自分が、自分で、自分のこととして、という道を歩んでいってくれるでしょう。そんな光景を心待ちにしながら。
園長 木都老克彦
